
家づくりにおいては、土地探しからスタートする人がほとんどでしょう。しかし「土地探しを成功させるためにはどうすればいいのか」「良い土地を見つけるためにチェックしたいポイントは何か」といった疑問を持つ人も多いです。そこで本記事では、土地探しのコツに焦点を当てて、詳しく解説します。
土地探しの前に必要な準備
土地探しを円滑に進めるためには、事前準備が重要です。以下に、具体的な準備項目を紹介します。
エリアと予算を決める
最初に、注文住宅を建てたいエリアと予算を決定しましょう。エリア選びでは、通勤・通学の利便性を考慮し、複数の候補を挙げるのがポイントです。
予算を決める際は土地代だけでなく、建築費や税金、手数料などの諸費用も含めて総額を計算する必要があります。また、希望エリアの相場を調査し、設定した予算が適切かどうかを確認することも重要です。
希望条件に優先順位を付ける
理想の土地を見つけるために、希望条件を整理し、優先順位を決めておきましょう。例えば「最寄り駅から徒歩10分圏内」「土地の面積は50坪以上」「日当たりの良いリビング」「在宅ワーク用の書斎を確保」など、具体的な条件を挙げます。
ただし、すべての条件を満たす土地を見つけるのは難しいため、譲れない条件と妥協できる条件を明確にしておきましょう。
土地探しを成功させるコツ
注文住宅を建てるためには、適した土地を見つけることが不可欠です。しかし、理想の土地がなかなか見つからず、土地探しが長引いてしまうケースも少なくありません。短期間でスムーズに土地探しを成功させるためには、以下のコツをおさえておきましょう。
理想の暮らしをイメージする
土地探しの目的は、単に土地を購入することではありません。その土地に家を建て、快適な暮らしを実現することです。具体的なイメージを持たずに土地探しをすると、何が自分に合った条件なのか分からず、決断できないことが多くなります。
まずは、10年後、20年後、30年後のライフスタイルを想像し、将来の家族構成や生活環境を考慮した土地選びをしましょう。例えば、子どもがいる家庭であれば学校や公園の近く、リモートワークが多い人なら静かな環境を優先するといった形です。
自分の目で現地を確かめる
インターネットや資料だけでは分からない情報も多いため、候補地が見つかったら必ず現地を訪れて確認しましょう。物件概要や地図だけで判断すると、思わぬ問題を見落とすことがあります。
例えば、駅から近い土地でも、電車や車の騒音が気になることがあるかもしれません。日当たりの良さや風通しも、実際に現地を訪れなければ分からないポイントです。
また、曜日や時間帯、天候によって街の雰囲気が変わることも多いです。そのため、できるだけ異なる時間帯や天候のときに複数回足を運び、環境をチェックすることが大切です。
早めに決断する
良い条件の土地は競争が激しく、迷っている間に他の買い手が決めてしまうことも多々あります。もちろん慎重に検討することも重要ですが、スピード感を持って決断することが成功の鍵です。
理想をすべて満たす土地を探し続けると、なかなか購入に踏み切れず、チャンスを逃してしまうこともあります。そのため、70〜80%の条件を満たしていれば十分と考え、納得できる範囲で決断する姿勢が大切です。
良い土地を見極めるためのチェック事項
理想の土地を見極めるためには、以下のチェック事項を参考にしましょう。
周辺環境
住みやすさを左右する周辺環境は、必ず現地で確認しましょう。スーパーやコンビニ、病院、学校などの施設が近くにあるか、騒音や匂い、治安の問題がないかチェックします。交通量の多い道路やゴミ集積場の近くは、騒音や悪臭のリスクがあるため注意が必要です。
面積・形状
土地の面積や形状によって、建てられる家の規模や間取りが変わります。整形地は建築しやすいですが、価格が高めです。不整形地は設計に工夫が必要ですが、価格が安くなることもあります。
高低差
土地に高低差がある場合、造成工事が必要になる可能性があります。低い土地は浸水リスクを防ぐための盛土工事、高い土地は崩れを防ぐ擁壁工事が必要になることがあります。これにより、追加費用が発生することを考慮しましょう。
境界線
隣地との境界が曖昧な土地は、購入後にトラブルになることがあります。登記簿や確定測量図を確認し、境界が確定していない場合は売主に境界確定測量を依頼しましょう。また、塀や垣根の越境物がないかもチェックが必要です。
災害リスク
安全に暮らすために、市町村のハザードマップを確認し、洪水・地震・津波・土砂災害などのリスクを把握しておきましょう。購入後に予想外の災害リスクが発覚すると、大きな負担になるかもしれません。
道路
建築基準法では、建物を建てるために道路に2m以上接している必要があります。さらに前面道路の幅が4m未満の場合、建物を道路から後退させる措置が必要です。公道か私道かも確認し、私道の場合は近隣住民の合意が必要になることもあります。
地盤
地盤が軟弱な土地は、建築前に地盤改良が必要になり、50〜200万円程度の追加費用が発生する可能性があります。売主の許可があれば、購入前に地盤調査を行うのが理想です。過去の地図やハザードマップで、土地の履歴を調べることも有効です。
インフラ
上下水道・ガス・電気が整備されているか確認しましょう。インフラが未整備の場合、引き込み工事が必要になり、追加費用がかかります。とくに郊外では上下水道が整備されていないことがあるので、注意が必要です。
法規制
土地には、建築基準法や都市計画法による規制があります。用途地域や建ぺい率・容積率、斜線制限などを事前に確認し、希望の建物が建てられるかをチェックしましょう。
建築・生活の障害になりそうなもの
電柱、ガードレール、縁石、大きな樹木などがあると、建築や車の出入りの妨げになる可能性があります。撤去には費用や行政手続きが必要になるため、事前に確認しておきましょう。
まとめ
土地探しは、家づくりの第一歩であり、慎重な判断が求められます。理想の土地を見つけるためには、エリアや予算を決め、希望条件に優先順位をつけることが重要です。また、周辺環境や土地の形状・高低差、災害リスク、地盤の強さ、法規制、インフラの整備状況などをしっかりチェックすることで、後悔のない選択ができます。さらに、インターネット情報だけでなく、実際に現地へ足を運び、時間帯を変えて環境を確認することも大切です。良い土地は競争率が高いため、完璧を求めすぎず、70〜80%の条件を満たせば決断する柔軟性も必要です。安心・快適な住まいを実現するために、事前準備を徹底し、土地の特性をしっかり見極めましょう。