夢のマイホームは新築一戸建てがいい、と考える方は少なくありません。ネットで住宅情報を調べると、月々の返済シミュレーションもできるサイトもあり、大まかな毎月の支払いを確認できます。しかし、住宅購入にかかる費用は物件価格だけではありません。さまざまな費用が発生するため、どのくらい諸費用が必要か知ることが大切です。
新築一戸建ての購入に必要な費用は?
新築一戸建ての購入にかかる費用は購入方法によって異なります。新築一戸建てにする場合、建売住宅と注文住宅の2パターンあります。
建売住宅
建売住宅とは、不動産会社などの売り手が土地を仕入れて住宅を建てて、土地と住宅をセットで販売することです。平均費用は3,500万円、首都圏だと4,000万円前後の費用がかかります。建売住宅のメリットは、住宅が完成している状態で内見できるので、イメージと違ったという失敗リスクをカバーできます。
注文住宅
注文住宅とは、施主が建築したい土地・設計を依頼したい施工会社を選び、間取りや設備などのプランを自由に決めて住宅を完成させます。平均費用は4,500万円、首都圏で5,000万円ほどかかります。建売住宅よりも費用が高くなることが多く、土地の購入費や自由設計プランなどがかかるためです。ただ、施工会社によって建設費用は変わってくるので、注文住宅で少しでも費用を抑えたい場合は、ローコストで建築できる施工会社を選びましょう。
しかし、新築一戸建ての購入には建物や土地の費用だけではありません。そのほか、さまざまな初期費用が発生します。一部ですが、住宅以外に必要となる費用を見ていきましょう。
売買契約の際に必要な手付金
手付金とは売買契約の際、買主が売主に支払う費用です。手付金を支払うことにより、契約が成立した証となります。建物価格の5〜10%ほどの手付金を支払い、3,000万円の物件だと150万〜300万円ほどの手付金を支払います。ただし、手付金を支払ったあとに購入者の都合で購入をキャンセルした場合は、手付金は戻ってこないため注意が必要です。
不動産会社を仲介した際に発生する仲介手数料
不動産会社を仲介して新築一戸建てを購入した際に、仲介手数料が必要となります。物価価格×3%+6万円+消費税を上限としています。3,000万円の新築一戸建てを購入した場合に必要な仲介手数料は税抜きで96万円。不動産会社によって仲介手数料の定め方は異なるので、諸費用を抑えたい方は、仲介手数料の負担が少ない不動産会社を選ぶことも方法のひとつです。
売買契約書に貼り付ける印紙税
売買契約書やローン契約書に購入した価格に応じた収入印紙を貼ります。1,000万〜5,000万円以下であれば、印紙税は1万円かかります。
登記を行うときに発生する登記免許税
登記とは、土地や建物を所有したことを証明するために行います。登記を行う際に登記免許税が発生し、多くは購入金額の1〜2%ほどかかります。ただ、登記の手続きには専門知識が必要となるため、不動産会社が紹介する司法書士へ依頼するケースが多く見られます。司法書士に依頼する場合、費用の目安は5〜10万円前後です。
頭金は必要?用意する場合いくら必要か
新築一戸建ての情報を調べると「頭金0円で購入可能」というワードを見たことありませんか。頭金の支払いがないだけでも初期費用は大きく変わり、負担を抑えられます。しかし、頭金なし=フルローンで組むことになります。
フルローンにはデメリットがあり、まず住宅ローンの審査がとおりにくくなり、金額が高いほど難しくなるでしょう。次に支払う利息が増えます。頭金なしの方が借りるお金が大きいため、どうしても利息は高くなります。初期費用は抑えられますが、長期で考えた場合、毎月の返済額も大きいので負担に感じるかもしれません。
頭金はどのくらい必要?
頭金は一般的に物件価格の1〜2割支払うケースが多く見られます。多くの頭金を支払うほど、月々の返済額の負担を抑えられるため、毎月の支払いを少しでも楽にしたい場合は頭金を用意する方がいいでしょう。とはいえ、すべてのお金を頭金に回すことは避けてください。頭金以外の支払いや生活費などが必要なので、最低でも月々にかかる生活費の半年分は残しておきましょう。
できるだけ費用を抑えるにはどうすればいいの?
とくに注文住宅での購入を考えている場合、建売住宅より費用がかかるため、できる限り費用は抑えたいものです。ここでは、住宅購入で費用を抑えられる3つのポイントを紹介します。
建築プランの優先順位を決める
住宅展示場に行くと、さまざまな設備を備えた住宅を目にします。人生に1度きりのマイホームだからこそ、取り入れたい設備はすべて備えたいと考える方も少なくありません。なんでも取りつけると、住み始めてからあの設備は不要だった、と思うことがあります。そのため、絶対に譲れないものを順位につけて、不要なものを取りつけないようにしましょう。そうすることでムダが省かれ、費用を抑えられます。
水回りの配置をまとめる
バラバラの水回りだと、水道配管の工事費がかかります。できる限り水回りをまとめて、工事負担を減らしましょう。また、水回りの統一は家事動線ができるため、毎日の家事も楽にできます。
複数の施工会社から見積もりを出してもらう
施工会社1社のみの見積もりでは、相場よりも金額が高いかどうかの判断ができません。最低でも3社程度の見積もりを出してもらいましょう。それぞれの施工会社を比較して、相場と近い金額なのか、ムダな費用が含まれていないかなどの確認ができます。
まとめ
新築一戸建ては住宅価格だけで購入できません。さまざまな諸費用が必要になるため、実際にどのくらいの費用を支払わなければいけないのか、事前に調べておくと大体の費用を把握できます。頭金0円物件だとより費用を抑えられますが、借りるお金が増えるため月々の返済費用が大きくなります。自分が考える毎月の支払額や物件購入金額などを照らし合わせて、無理のない金額で新築一戸建てを購入しましょう。