
住み替えを考えると、まず悩むのが持ち家の売却タイミングです。売却を先に進めるか、新居の購入を優先するか、それぞれにメリットとデメリットがあります。資金計画や引っ越しのスケジュールにも影響するため、慎重な判断が必要です。本記事では、持ち家をスムーズに売却し、無理なく住み替えを実現するためのポイントをご紹介します。
住み替えとは?持ち家を手放し新生活を始める選択
住まいは人生の変化とともに最適な形が変わることがあります。最初は理想の家だったとしても、ライフスタイルや環境の変化によって「今の住まいでは合わない」と感じることも少なくありません。
そんなときに考えられるのが住み替えです。以下では、住み替えの基本的な意味やどのような人が住み替えを検討するのかについてご紹介します。
住み替えとは何か?
住み替えとは、現在の住まいから新しい住居へ移り住むことを指します。持ち家を売却し、新しい家を購入するケースです。住宅購入時には長く住むつもりでも、さまざまな事情で住み替えを選択する人は少なくありません。
たとえば、仕事や家族の状況が変わり、今の家が生活に合わなくなることがあります。住み替えは、新たな生活環境を整え、快適な暮らしを実現するための選択肢です。
住み替えを考えるのはどんな人?
住み替えを検討する理由は人それぞれですが、ライフスタイルの変化が大きな要因となることが多いです。たとえば、子どもが独立して家が広すぎると感じる場合や逆に子どもが増えて手狭になった場合が考えられます。
また、仕事の都合で転勤が決まり、通勤が難しくなることも住み替えのきっかけとなります。そのほか、より便利な立地への移住やバリアフリー対応の住まいへの変更を考える人も少なくありません。
こうしたさまざまな理由から、住み替えは幅広い年代の人にとって身近な選択肢となっています。
住み替えの方法は?持ち家の売却と購入の進め方
住み替えをする際、持ち家を「先に売るか」「先に買うか」で進め方が変わります。どちらを選ぶかによって、資金計画や引っ越しのスケジュールに影響が出るため、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
持ち家を売ってから新居を探す方法
先に持ち家を売却し、その後新しい住まいを探す方法です。売却した資金を新居の購入に充てられるため、資金計画が立てやすいのが大きなメリットです。また、住宅ローンの残債を完済しやすく、無理のない範囲で次の住まいを選ぶことができます。
一方で、売却後すぐに希望の住まいが見つからない場合、一時的に仮住まいが必要になる場合もあるため、その点も考慮しておきましょう。これらのことから、売却を優先する方法は、資金に余裕がない方やできるだけ有利な条件で持ち家を売りたい方に向いています。
新居を購入してから持ち家を売る方法
先に新しい住まいを購入し、そのあとに持ち家を売却する方法です。この方法では、じっくりと理想の住まいを探せるため、希望に合った物件を選びやすくなります。また、引っ越しのタイミングを自由に決められる点もメリットです。
ただし、一時的にふたつの住宅を所有することになるため、住宅ローンが残っている場合は「二重ローン」となる可能性があります。これらのことから、購入を優先する方法は、資金に余裕がある方や今すぐ購入したい物件がある方に向いています。
住宅ローンの残債があっても住み替えは可能?
住宅ローンの残債があると、住み替えは難しいと考える方も多いかもしれません。しかし、現在のローンを完済せずに住み替えを進める方法はいくつかあります。以下では、住宅ローンが残っていても住み替えを実現するための方法についてご紹介します。
住宅ローンを一本化できる「住み替えローン」
住み替えローンは、現在の住宅ローンの残債と新居の購入資金をまとめて借り入れできるサービスです。この方法を利用すると、既存のローンを完済しなくても新居を購入でき、資金のやりくりがしやすくなります。
とくに、売却価格が残債を下回るケースでは、住み替えローンを活用することで不足分を補うことが可能です。ただし、一般的な住宅ローンよりも借り入れの審査が厳しく、一定の収入や信用力が求められる点には注意が必要です。利用を検討する際は、金融機関の条件をよく確認しましょう。
一時的に資金を調達するための「つなぎ融資」の活用
つなぎ融資とは、現在の家が売れるまでの間、一時的に資金を借りられる制度です。新居を購入するための資金を準備しながら、落ち着いて持ち家の売却活動を進められる点がメリットです。
しかし、この融資には期限があり、通常3か月から1年以内に返済しなければなりません。万が一、期間内に売却が完了しない場合、不動産会社が買い取ることになりますが、その際の買取価格は市場相場を下回ることが多いため、注意が必要です。計画的に進めることが重要になります。
「二重ローン」を利用して住み替える方法
二重ローンとは、現在の住宅ローンを返済しながら、新たにもうひとつの住宅ローンを組むことです。この方法を利用すれば、新居を先に購入し、引っ越し後にゆっくりと旧居を売却することができます。
ただし、金融機関からの信用が必要であり、借入額に見合った収入が求められます。二重の返済負担が発生するため、資金計画をしっかり立てたうえで検討することが大切です。収入に余裕があり、希望する物件を確実に手に入れたい方には有効な選択肢となります。
まとめ
住み替えは、ライフスタイルの変化や将来の計画に合わせて住環境を見直す大切な選択です。持ち家を売却してから新居を購入するのか、それとも先に購入してから売却するのか、それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、自身の状況に合った方法を選ぶことが重要です。さらに、住宅ローンの残債があっても住み替えローンやつなぎ融資などの制度を活用すれば、新居への移行をスムーズに進めることができます。無理のない資金計画を立てながら、希望に合った住まいを見つけ、理想の暮らしを実現しましょう。