憧れのマイホームの購入にあたって頭を悩ませることの一つとして「住宅ローン」があると思います。マイホームの購入は一生に一度といわれるぐらいの人生の一大イベントですが、それだけに多くお金が必要になります。このお金の調達方法の一つとして住宅ローンがありますが「頭金」はどうすればいいでしょうか。
住宅ローンの頭金はいくら準備すべきか
マイホームの購入は冒頭述べたとおり非常に多くのお金が必要にあり、大半の方が住宅ローンを利用されていると思います。その際に頭金をどのぐらい用意したらいいのか、こういった疑問や不安を感じられている方も多いのではないでしょうか。
住宅ローンは結局のところ銀行などの金融機関からお金を借りる「借金」です。そのため、住宅ローンで借りたお金には当然ですが利息がかかることになります。パーセントとしてみると小さな数字に見えますが、借りるお金自体が非常に大きいので、利息も決して馬鹿にできない金額になってきます。
利息を少しでも減らすためには、予め自己資金を用意しておき、住宅ローンで借りるお金を減らすということが必要になります。自己資金と住宅ローンのバランスをうまく図ることが重要なのですが、最適なバランスは千差万別なため、頭金をいくら用意すればいいのかが難しいのです。
なお、一般的には住宅ローンの頭金は住宅購入にかかる総額の2割程度と言われています。ただし、国土交通省により「令和3年度住宅市場動向調査」の資料からもわかるように、土地から購入した場合の注文住宅では23.5%、立替世帯では55.4%の自己資本(頭金)比率とそれぞれの状況によって大きく異なる点には注意が必要です。
頭金がなくても住宅ローンの契約はできるのか
さて、住宅ローンを契約する際に頭金は必ず必要になるのでしょうか。結論からいえば、頭金がなくても住宅ローンを組むこと自体は可能です。頭金なしで住宅ローンを組むことをフルローンと言ったりしますが、言葉のとおり住宅の購入にかかる費用をすべてローンによって賄うということになります。
しかしながら、住宅ローンで借りられる金額は年収などによって決まってきますし、返済に向けての信頼性などが十分に確認できないときにはローンの審査が通らない場合もあります。そのため、頭金がある場合に比べて住宅購入にかかる費用が少なくなる傾向にあるということは理解しておくことが必要です。
この後、頭金を出すメリットやデメリットについても紹介しますが、それらのメリットやデメリットを抑えたうえで頭金の有無、そしてどのぐらい頭金を要するのかを検討することが重要です。
頭金を出すメリット・デメリット
それでは頭金を出すメリットやデメリットとは、どのようなものなのでしょうか。まず借入金額が抑えられ、毎月の返済額が軽くできます。また借入期間を短くすることもできるでしょう。頭金を多く出すことは、住宅購入にかかる費用のうち住宅ローンから賄う金額が減ることを意味します。それに伴い、借入金額や借入金にかかる利息も減らすことができます。
例えば、金利0.35%で35年ローンを組む場合、頭金で600万円用意すると、毎月の返済額は15,000円ほど減ることになります。また、金融機関によっては、頭金の割合によって金利優遇を受けることができる場合もありますし、住宅ローンの借入金額が減ることで、住宅ローンの審査にも通りやすくなる場合もあります。このように長期的に見たときに費用を抑えられる点が、頭金を出すメリットです。
それでは逆に頭金を出すデメリットとは、どういったものなのでしょうか。まず急な出費に対応できなくなる可能性があります。頭金として多くの金額をあてがうことで、預貯金などの自由なキャッシュが乏しい状態に。その結果、急な出費が必要な際に工面することが難しくなります。
特に住宅購入にあたっては、当初は予算を決めていたとしても、実際物件をみたり、ハウスメーカーと打ち合わせをしたりするなかで、グレードアップへの意欲が出てきがちです。追加工事に対応できるように、ある程度のキャッシュは手元に残しておくことが大切でしょう。
また、住宅の購入以外にも新生活を始めるための引越費用や家具の買い替えなども伴うので、そういった費用も念頭においておくことが重要です。その他、頭金をためるまでには時間がかかります。ほしい物件が見つかっても購入のタイミングを逃してしまうこともあるでしょう。
まとめ
ここまで住宅ローンの頭金についてご説明してきました。マイホームの購入にあたって、住宅ローンや頭金の支払いについては、多くの人が悩むポイントであるといえます。住宅ローンは30年以上の長い期間の借入です。しっかりとマイホームにかける予算やその調達方法については考え、無理のない返済計画をたてることが重要になります。
頭金を多く出しすぎても、キャッシュ不足から資金難に陥る可能性がありますし、逆に頭金が少なすぎると利息が増え毎月の返済額が多くなってしまいます。頭金を出す・出さないそれぞれのメリットやデメリットも踏まえたうえで、自己資金を用意する「期間」と「金額」を明確にすることが大切なのです。