住宅を購入するとき、多くの人が住宅ローンの契約を検討することでしょう。住宅ローンを契約するには審査に通過しなくてはなりませんが、その審査基準は公開されていません。ですが、審査の項目を知ることで審査に通過するヒントになります。そこで、住宅ローンの審査項目や落ちてしまったときの対処法を紹介していきます。
住宅ローンの審査に落ちる人の特徴
住宅ローンの審査には、事前審査と本審査の2種類あります。事前審査は本人の自己申告をもとに行われる簡単な審査のことで、申込者の返済能力を短期間で判断するために行われます。
事前審査後に行われる本審査は、住宅ローンを契約するための最終審査のことで、提出書類などに基づいて行われます。では、住宅ローンの審査に落ちる人にはどのような特徴があるのでしょうか。
年収が低い
年収は、住宅ローンの融資金額を決めるための重要な項目です。年収が低い人は返済能力が低いと判断され、審査に落ちる傾向にあります。
個人信用情報に傷がついている
個人の信用情報とは、クレジットカードの支払い、携帯料金の支払い履歴、ローン契約などの取引の情報のことです。信用情報に傷がついている、つまり、過去にクレジットカード請求や携帯料金を延滞した人は審査に落ちる可能性が高くなります。
他のローンが残っている
他のローンが残っている場合も審査に落ちやすくなります。月々の返済額が他のローン+住宅ローンとなり、金額が大きくなってしまうからです。車のローン、クレジットカードのリボ払い、携帯料金の分割払い、奨学金の返済などが当てはまるので、該当する場合は注意しましょう。
住宅ローンの審査でチェックされる項目
住宅ローンの審査にはさまざまな項目がありますが、大きく契約者個人に関する項目、対象物件に関する項目、返済計画に関する項目の3つに分けられます。ここでは、審査の代表的な項目について解説していきます。
年齢
年齢は、完済時年齢と借入時年齢の2つを見られます。金融機関がとくに重視するのは完済時年齢で、80歳未満でローンを完済できるかをひとつの目安としているようです。借入時年齢は、若すぎると審査に落ちることがあります。
年収
年収が低いと返済能力が低いと判断されます。目安として、年収が300万円以上あれば審査を通過する可能性があると言われています。
健康状態
多くの金融機関では、団体信用生命保険に加入することを住宅ローン契約の条件としています。健康状態が悪く団体信用生命保険に加入できない場合は、そもそも住宅ローンの申し込みができないので注意しておきましょう。
個人信用情報
個人信用情報もほぼ必ずチェックされる項目です。仮に過去に延滞していても、支払い後5年以上が経過すれば、信用情報は元に戻ります。信用情報は、開示請求すれば誰でも確認できるので、気になる場合は開示請求してみてもいいかもしれません。
返済負担率
返済負担率とは、年収に対する年間のローン返済額の割合のことです。この割合が高いと審査に通りにくいとき言われています。一般的に、返済負担率が20%~25%までであれば無理なく返済できると判断されます。申し込みたいローン以外に車のローンなどを組んでいる場合、その返済金額も負担率に含まれるので注意が必要です。
担保評価
担保評価とは、不動産の価値のことです。住宅ローンの返済ができなくなった場合、金融機関は物件を競売にかけてローンの回収に充てることができます。物件の価値が低すぎると、ローンの返済額を回収しきれないと判断され、審査に落ちる可能性があります。
審査に落ちてしまったらどうすればよいのか
一度審査に落ちてしまっても、住宅ローンを契約する方法は残っています。ここからは、審査に落ちてしまった場合の解決策を紹介していきます。
ほかの金融機関で申し込む
金融機関ごとに住宅ローンの審査基準は異なるので、ほかの金融機関で申し込んだら審査に通った、という方もいるようです。ただし、信用情報機関にローンを申し込んだ履歴が半年残るため、半年は期間をあけたほうがいいでしょう。
収入合算、ペアローンを組む
契約者本人の年収だけで借り入れが難しい場合は、収入合算するかペアローンを利用すると審査に通りやすくなります。ペアローンは、1軒の住宅に対して2つのローンを組む方法です。
収入合算は、契約者の収入に配偶者や同居親族の収入を加算してローンの申し込みをする方法のことです。どちらの方法も2人分の収入で審査するため、審査に通りやすくなります。
返済負担率を下げる
返済負担率を下げると審査に通りやすくなります。頭金を多く用意すれば、残りの返済額が減るため、返済負担率が下がります。貯金がある方は頭金の増額を検討してみてもいいでしょう。
また、返済期間を長くすることで同じ借入額でも返済負担率を下げることができます。ただし、借入額は同じでも期間が長くなった分の利息は増えるので注意が必要です。
まとめ
住宅ローンの審査は、毎月無理なく返済し続けられる収入があるか、完済できる信用情報があるかの2点を基準に、さまざまな項目を審査していきます。
できれば一発で審査に通りたいものですが、もし仮に審査に落ちてしまっても、住宅ローンを契約できる可能性は残っています。まずは自分の返済計画や信用情報を確認し、自分に合った住宅ローンの審査に申し込むことが大切です。